数十ナノメートルの位置決めを、ミリのストロークで

~ 電磁モータの熱変位と、ピエゾステージの短ストロークからの解放 ~


このような課題を抱えていませんか?


 ✔ 熱によるドリフト:停止中の保持電流による発熱で、せっかく合わせた光軸が刻々とズレてしまう
 ✔ 動作量の不足:ピエゾステージの超高精度は魅力だが、200μmほどの動作量では調整範囲が足りない
 ✔ 微細なノイズ:サーボロック特有の「ハンチング(微小振動)」が、繊細な観測データではノイズになる
 ✔ 設置スペース:電磁モータ部のでっぱりが邪魔だが、50nm以下の精度は妥協したくない

 

この課題、THKプレシジョンの ”ピエゾモータステージ” が解決します。


「動」は、ナノメール動作で高分解能

「静」は物理的にロック


1.ミリメートルの動作が可能で、ナノレベル位置決めの理由


「ピエゾモーターステージ」の駆動源は、ナノレベル動作で使われるピエゾ(圧電)素子アクチュエータです

 

✔ なぜピエゾが「ミリメートル」も動けるのか?

その答えは内部に搭載されている PiezoLEGS®の「歩行動作(デルタ駆動)」にあります


 

  • 4足歩行: 2本ずつペアになった足が、交互に「伸長」と「屈曲」を繰り返す
  • 摩擦で送る: 2つのペアが異なる位相でロッドを捉え、地面を蹴るようにロッドを順々に送る
  • ”塵も積もれば”の動作:一歩=1サイクル 4〜5μmの小さな歩みを高速で積み重ね、最大25mmの動作量を可能に

<駆動イメージ>

 

 ✔ なぜ「ナノ」レベルで制御できるのか?

一歩の中を極限まで細分化する制御と高精度リニアスケールが”鍵”で、直接、動作テーブルを監視・制御しています

  • 専用コントローラー: 1サイクルを8192分割で微小コントロール。1歩の中をさらに細分化
  • 高分解能リニアスケール: 20nm or 40nmの高分解能エンコーダーを搭載

2.特徴


● 電源OFFでもセルフロッキングで位置保持

位置決め完了後、電源をOFFにしても位置ズレを起こすことのない独自のセルフロッキング(パーキング)機能を備えており、高い保持力によりその位置を保持

 

● リニアエンコーダ内蔵で高い位置再現性

光学式リニアエンコーダを内蔵したタイプ(20nm分解能)と、低価格のTHKプレシジョン製光学式リニアエンコーダを内蔵したタイプ(40nm分解能)を選択可能

 

● 真空環境対応、非磁性対応

アクチュエータは、真空対応タイプや非磁性真空タイプがあり、カスタム対応しております

3.分解能が高い"ピエゾモータステージ" と "ピエゾステージ" の違い

ミリ動作可能な「ピエゾモータステージ」と、高精度ナノレベル位置決めで使われている「ピエゾステージ」は、どちらも圧電(ピエゾ)素子を駆動源としていますが、動作原理が異なり、性能特徴も異なります


※用途に合わせて選ぶ、2つのピエゾ駆動方式 

比較項目 ピエゾモータステージ ピエゾステージ
駆動方式  4本の足の伸長と伸縮動作による摩擦駆動 積層型ピエゾの伸縮動作
可動範囲 長い:〜25 mm以上も可 短い:拡大機構付きで1mm未満
移動ガイド クロスローラ 弾性ヒンジ
分解能 20 nm, 40 nm 1 nm~
電源OFF時の位置保持 ×
発生力、推力 推力 6N, 20N 発生力 数十~数百N
得意用途 静的位置決め、長時間の位置保持 高分解能、高速応答、高発生力

4.用途例


· 光学系・レーザーアライメント

 一度決めた光軸を数時間にわたって、その場を位置維持する必要がある用途に

 ☞フォーカス微調整、サンプル位置の固定・微小ステップ調整、光路合わせ、ビームアライメント

 

· 分析・測定装置:

 顕微鏡などの広範囲なマッピング測定後、特定の位置での長時間安定停止&観測

 フォースセンサとの併用により、距離×力の可視化も

 

· 半導体・精密検査設備:

 高性能レンズなど光学系の微小位置合わせ。プローバの接触位置、微小位置調整など

 位置決め完了後の安定性が品質を左右する工程に

 

· 特殊環境での精密位置決め:

 真空チャンバーの中での光学系・試料のアライメント。非磁性環境にもカスタム対応

  

  ● 光学ミラー・レーザー系の高精度位置決め ● 真空チャンバー内での精密マッピング測定
  ● ウェハー・光学系の微小回転角の調整 ● 顕微鏡用試料ステージ
  ● 位置決め完了後、安定した静止保持を必要とする用途

5.製品ラインナップ



  X軸

型番 可動範囲 分解能 推力 最大移動速度 耐荷重
LS1L60(F)-08B-06 ±4 mm 40 nm 6N 5mm/sec 1kg
LS1L90(F)-16□-□ ±8 mm 20nm, 40nm 6N, 20N 5mm/sec 2kg
LS1L120(F)-25□-□ ±12.5 mm 20nm, 40nm 6N, 20N 5mm/sec 3kg

※X軸ステージ2台を直交して組み合わせたXY軸ステージの構成も可能

  XY軸

型番 可動範囲 分解能 推力 最大移動速度 耐荷重
LS2K180-16B-□ (X,Y) ±8 mm (X,Y) 40 nm 6N, 20N 5mm/sec 2kg

※中央に開口を有し、可動範囲全域において開口を塞ぎません

  Z軸

型番 可動範囲 分解能 推力 最大移動速度 耐荷重
LSVL90(F)-12□-20 ±6 mm 20nm, 40 nm 20N 5mm/sec 0.5kg
LSVL90(F)-03□-20 ±1.5 mm 20nm, 40 nm 20N 1mm/sec 5kg

※垂直タイプ : X軸を縦置きした形で、長いストロークを維持

 水平面タイプ: くさび構造で、移動テーブルが水平を維持したまま昇降。短ストロークながら重量物でも安定した動作

  回転 ・ ゴニオ軸

型番 可動範囲 分解能 推力 最大移動速度 耐荷重
LS1C90-02□-20 ±1° 0.2秒, 0.4秒 20N 12°/sec 2kg
LS1G□90-02□-20 ±1° 0.1秒, 0.2秒 20N 2.4°/sec 2kg

※回転タイプ:回転範囲はわずかながら、高い角度分解能と位置再現性

 ゴニオタイプ:仮想点までの距離が異なる2機種あり。組み合わせで同一仮想点をもった2軸(θx, θy)ステージに

  制御コントローラ

型番 制御軸数 接続リニアスケール 制御インターフェース 外形寸法 電源

FC421A

FC421B

1

A:レニショー製

B:THKプレシジョン製

LAN, RS485

(RS232Cへ変更可)

 

W210×

D240×

H68 mm

AC100

120V

FC422A

FC422B

2

FC443A

FC443B

3

FC444A

FC444B

4

※制御インターフェース:LAN、RS485、USB、RS232Cを選択

 制御基板、ドライバ基板、リニアセンサインタポレータを内蔵


  サンプル動作ソフト:PCから簡単操作

 ・指定位置への移動、原点復帰、速度変更、ジョグ駆動など基本的な機能

 ・ホームページからダウンロード可能

 


6.良くあるご質問 Q & A


Q1:ピエゾモータタイプは、長時間の連続動作(スキャニング)に向いていますか?

A: 当製品は摩擦駆動方式であるため、長時間の高速連続駆動よりも、特定のポイントへ精密に移動して「静止・保持」する用途に向いております。この「静的な位置決め」においては、電源OFFでも位置がズレない強みを発揮します

 

 

Q2:電源を切っても、位置が保持されるのはなぜですか?

A: アクチュエータのセルフロッキング機能により、電源OFFの状態でも、仕様上の推力と同等の摩擦保持力が発生します。これにより、通電による発熱(熱ドリフト)の影響をゼロに抑えて、位置保持することができます

 

 

Q3:制御コントローラとの接続やプログラミングは難しいですか?

A: 専用コントローラ「LCシリーズ」は、USB/LAN/RS232C等のインターフェースを装備し、PCと接続が可能で、シンプルなコマンド体系で制御でき、PythonやLabVIEW等への組み込みも容易です

 

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